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架線の継ぎ目でショートか? JRの停電事故
2007年06月22日16時12分
電車に電力を供給する架線はリレー方式で、首都圏では約4キロごとに新しい架線に引き継ぐ形になっている。この「のりしろ」部では2本の架線が約100メートルにわたって並行しており、「エアセクション」と呼ばれる。
並行する架線の間で過剰電流が流れたのが原因か?
架線の電圧は送電所に近いほど高く、離れるほど下がる。このため、エアセクションでは1本の架線の電圧が高く、もう1本は低くなる。
最初に止まった電車は何らかの理由でエアセクションに停止した。このため、電車のパンタグラフが2本の架線に同時に接触し、電圧の高い架線から低い架線に大きな電流が流れてショートした可能性がある、とJR東日本などは見ている。
エアセクションの部分では本来、電車は高速走行することが想定されている。高速走行していれば、2本同時に接触する時間が短いため、こうした現象は起きない。ただ、一定時間停止するとショートしてしまう。こうした切断事故は過去にも起きており、JRなどでは付近に標識を設置し、停止を避けるよう乗務員に指示している。
今回の事故は、架線でショートが起きて部分的に停電したため、問題の電車が立ち往生した。このため、停電していない区間も含め、多くの電車の身動きがとれなくなった。事故の起きた区間は宇都宮線と高崎線が同じ線路を使っており、通勤ラッシュも重なって影響を広げたと見られる。
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