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伊勢中川駅
伊勢中川駅(いせなかがわえき)は、三重県松阪市嬉野中川新町1丁目にある近畿日本鉄道の駅。
以前は、単に「中川駅」とアナウンスされていたことがあり、地元の住民も「中川駅」と呼称している。近畿日本鉄道の主要3路線の接続点に当り、大阪市・名古屋市・伊勢市方面のいずれへも出ることができる。
西口
目次
1 利用可能な鉄道路線
2 駅構造
2.1 のりば
2.2 中川短絡線
3 特徴
4 利用状況
5 駅周辺
5.1 路線バス
6 歴史
7 隣の駅
8 関連項目
利用可能な鉄道路線
近畿日本鉄道
大阪線
名古屋線
山田線
駅構造
5面6線のホームを持つ駅。改札口・コンコースは地下に、ホームは地上にある。改札口は1ヶ所のみ。駅の下を東西に走る地下道があり(歩行者通行専用)、そこに改札口が設けられる。地下道へ降りる際には、エスカレーター・エレベーターとスロープも設置されているので身体障害者も改札口の利用が可能であるが、改札口を入ってホームに上がる際には階段があるのみ。
便所は改札内(地下)にあり、男女別の水洗式便所。かつては1番線、4・5番線ホームに男女共用の汲み取り式便所、6番線ホームに男女別の汲み取り式便所があったが、2004年1月10日の地下駅舎化に伴い、閉鎖・撤去された。また、2005年秋には、改札外(駅の東西各1か所)にもトイレが設置された。
4・5番線ホーム南端からみた構内(右端が1番線)
のりば
東側から以下のようにホームが並んでいる。線路は1番線から6番線まであるが、行き先とホームとの明確な対応はなされていない。
1・2番線ホーム(島式、2番線は普通電車の降車限定)
2・3番線ホーム(島式)
3・4番線ホーム(島式)
4・5番線ホーム(島式)
6番線ホーム(単式)
以上のように、1~5番線間には全てホームがあり、2~4番線は両側をホームで挟まれる構造になっている。これは、かつて名古屋線が狭軌であった当時に名古屋線・大阪線間の乗り継ぎをスムーズにするための所産であるが、現在も乗り継ぎ機能を十分発揮し、理想的な乗換駅の構内形態として鉄道評論家から賞賛を受けている。また泉佐野駅や尼崎駅など、同様の構造を採用した駅もいくつか少ないながらも生まれている。
3・4番線の列車は両扉扱いを実施。名古屋線・大阪線間の特急・急行での乗り継ぎはほとんど同一ホーム上で可能である。2番線については普通電車発着時のみ1番線側から降車できる。なお、唯一単式ホームとなっている6番線は早朝・深夜帯を除く大阪線の普通列車が主として発着する。
以下に、行先毎の大まかなのりばの内訳を示す。
配線図大阪線 - 大阪(上本町・難波)・奈良・京都方面
優等列車は主に4・5番線から発車(ごく稀に2番線発着の場合もあり)
普通電車は主に6番線から発車(早朝・深夜には4・5番線発着もあり。ごく稀に2番線発着の場合もあり)
名古屋線 - 津・四日市・名古屋方面
主に4・5番線から発車(但し当駅折返し列車の一部は2番線から発車。ごく稀に1・6番線発着の普通電車もあり)
山田線 - 宇治山田・鳥羽・賢島方面
主に2・3番線から発車(但し普通電車の半数は1番線から発車)
中川短絡線
宮古分岐と中川短絡線(大阪側より撮影)駅構内に、名古屋線・大阪線間を短絡する中川短絡線がある。初期の計画の中には久居駅付近から川合高岡駅付近を短絡する案も存在したが、用地買収の困難さや雲出川架橋などの出費を考慮して、伊勢中川駅付近の最短距離を結ぶことに決定した。この連絡線により伊勢中川駅のスイッチバックを避けて、名阪ノンストップ特急の運転が可能となった。急カーブを徐行するため短絡効果はあまり高くないが、乗客が伊勢中川駅でのスイッチバック時に、座席を反転させる手間はなくなった。
名阪ノンストップ特急の乗務員は富吉列車区(名古屋)と高安列車区(大阪)から1名ずつ乗務し、短絡線上を徐行で通過する間に引き継ぎ交代を行う。交代後は運転をしていた乗務員が車掌となり、車掌をしていた乗務員が運転にあたる(ちなみに交代中はカーテンがひかれ、乗客には見えないようにしている)。なお、大阪線側の分岐点は宮古分岐、名古屋線側の分岐点は黒田分岐の名称がある(ただしこれらは伊勢中川駅の構内という扱いで正確には信号場ではない)。これは、各分岐点の所在地の地名によるものである。
ちなみに、1本のみ存在する名張発名古屋行急行の場合はこの短絡線は使われず、当駅でスイッチバックを行ったのち、名古屋線に入線する。
特徴
自動改札機設置駅(広幅1台+2台)
3台全てが、赤い自動改札機である(出場時2枚一括処理・PiTaPa・ICOCA対応)。
自動精算機設置駅
近鉄名古屋駅~塩浜駅に設置されている高額紙幣対応機ではなく、比較的古い機種である。
(ICカード入金ができない機種のため、ICOCA利用時には残高不足に注意のこと。ICカード入金機は設置されていない)。
スルッとKANSAI対応カード及びJスルーカードは対応エリア外のため使用できない。
正式なアナウンスはされていないが、券売機(タッチパネル式の高額紙幣・ICカードチャージ対応機)にスルッとKANSAIカード及びJスルーカードを挿入することにより切符を購入することができる。
特急券及び定期券の購入が可能。
駅所在地が嬉野町だった頃に当時の住民から「嬉野駅」へ駅名変更の要望があったが立ち消えになった。
利用状況
主として通学・通勤用に利用される。
伊勢中川駅の利用状況の変遷を下表に示す。
輸送実績(乗車人員)の単位は人であり、年度での総計値を示す。年度間の比較に適したデータである。
乗降人員調査結果は任意の1日における値(単位:人)である。調査日の天候・行事等の要因によって変動が大きいので年度間の比較には注意を要する。
2005年11月8日の調査結果によると、1日の利用客は6843人。この数字は…
近鉄の全調査対象駅(323駅)中、94位。
大阪線の駅(48駅、他線接続駅含む)の中では、18位。
名古屋線の駅(44駅、他線接続駅含む)の中では、12位。
山田線~鳥羽線~志摩線の駅(33駅、他線接続駅含む)の中では、3位。
三重県内の近鉄の駅(116駅)の中では、13位。
表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
年 度 当駅分輸送実績(乗車人員):人/年度 乗降人員調査結果
人/日 特 記 事 項
通勤定期 通学定期 定期外 合 計 調査日 調査結果
1950年(昭和25年) 241,170 ←←←← 222,164 463,334
1951年(昭和26年) 275,520 ←←←← 238,551 514,071
1952年(昭和27年) 306,000 ←←←← 236,579 542,579
1953年(昭和28年) 275,010 ←←←← 263,190 538,200
1954年(昭和29年) 298,680 ←←←← 282,628 581,308
1955年(昭和30年) 300,300 ←←←← 280,926 581,226
1956年(昭和31年) 317,940 ←←←← 294,056 611,996
1957年(昭和32年) 351,180 ←←←← 263,657 614,837
1958年(昭和33年) 352,560 ←←←← 314,402 666,962
1959年(昭和34年) 381,660 ←←←← 310,240 691,900
1960年(昭和35年) 439,650 ←←←← 299,657 739,307
1961年(昭和36年) 518,580 ←←←← 295,622 814,202
1962年(昭和37年) 582,030 ←←←← 306,001 888,031
1963年(昭和38年) 620,280 ←←←← 298,585 918,865
1964年(昭和39年) 702,510 ←←←← 302,213 1,004,723
1965年(昭和40年) 733,290 ←←←← 306,760 1,040,050
1966年(昭和41年) 706,050 ←←←← 283,360 989,410
1967年(昭和42年) 747,430 ←←←← 284,300 1,031,730
1968年(昭和43年) 762,570 ←←←← 323,071 1,085,641
1969年(昭和44年) 771,420 ←←←← 339,410 '1,110,830
1970年(昭和45年) 855,060 ←←←← 373,796 1,228,856
1971年(昭和46年) 857,460 ←←←← 406,205 1,263,665
1972年(昭和47年) 876,600 ←←←← 436,289 1,312,889
1973年(昭和48年) 896,640 ←←←← 476,071 1,372,711
1974年(昭和49年) 918,120 ←←←← 504,371 1,422,491
1975年(昭和50年) 928,100 ←←←← 486,165 1,409,265
1976年(昭和51年) 887,280 ←←←← 461,872 1,349,152
1977年(昭和52年) 871,740 ←←←← 474,073 1,345,813
1978年(昭和53年) 847,260 ←←←← 487,509 1,334,769
1979年(昭和54年) 881,070 ←←←← 481,391 1,362,461
1980年(昭和55年) 922,740 ←←←← 490,975 1,413,715
1981年(昭和56年) 937,500 ←←←← 478,316 1,415,816
1982年(昭和57年) 917,940 ←←←← 480,663 1,398,603 11月16日 6,634
1983年(昭和58年) 927,510 ←←←← 479,889 1,407,399 11月8日 6,759
1984年(昭和59年) 901,950 ←←←← 463,835 1,365,785 11月6日 6,523
1985年(昭和60年) 906,090 ←←←← 463,314 1,369,404 11月12日 6,558
1986年(昭和61年) 912,120 ←←←← 463,196 1,375,316 11月11日 6,956
1987年(昭和62年) 933,990 ←←←← 448,776 1,382,766 11月10日 6,681
1988年(昭和63年) 931,470 ←←←← 460,052 1,391,522 11月8日 6,790
1989年(平成元年) 908,610 ←←←← 471,572 1,380,182 11月14日 6,640
1990年(平成2年) 927,450 ←←←← 482,609 1,410,059 11月6日 6,939
1991年(平成3年) 929,880 ←←←← 485,009 1,414,889
1992年(平成4年) 930,810 ←←←← 491,598 1,422,408 11月10日 6,937
1993年(平成5年) 921,030 ←←←← 496,003 1,417,063
1994年(平成6年) 1,009,590 ←←←← 490,737 1,500,327
1995年(平成7年) 903,090 ←←←← 455,875 1,358,965 12月5日 6,392
1996年(平成8年) 876,030 ←←←← 454,502 1,330,532
1997年(平成9年) 814,830 ←←←← 433,289 1,248,119
1998年(平成10年) 783,900 ←←←← 417,709 1,201,609
1999年(平成11年) 770,070 ←←←← 428,245 1,198,315
2000年(平成12年) 769,890 ←←←← 434,026 1,203,916
2001年(平成13年) 774,240 ←←←← 427,137 1,201,377
2002年(平成14年) 778,470 ←←←← 428,559 1,207,029
2003年(平成15年) 780,240 ←←←← 425,170 1,205,410
2004年(平成16年) 780,060 ←←←← 449,872 1,229,932
2005年(平成17年) ←←←← 11月8日 6,843
2006年(平成18年) ←←←←
駅周辺
駅としての知名度や拠点性の高さの割に閑静な駅周辺だったが、21世紀になってから駅周辺の再開発が進んでいる。駅の西側は民営の駐車場・駐輪場、住宅などがあったが、駅前広場や銀行・マンションが建設され、また一部は更地のまま開発待ちの状態である。東側は水田地帯であったが、急速に市街化が進行している。主な施設は次のとおり。
嬉野中川郵便局
松阪市立中川小学校
松阪市立豊田小学校
嬉野図書館
嬉野ふるさと会館
三重県科学技術振興センター農業研究部
三重県農業大学校
エネオス石油
コスモ石油
ユーストア中川店
コメリ嬉野店
コメダ珈琲嬉野店
ジップドラッグ東洋 嬉野店
スギ薬局嬉野店
宮脇書店嬉野店
百五銀行嬉野支店
第三銀行嬉野支店
Aコープうれしの店
その他、多数の医院、商店、飲食店、駐車場など
路線バス
三重交通
72系統(嬉野線)上小川 行(平日2回、土休日1回のみ)
歴史
1930年(昭和5年)5月18日 参宮急行電鉄の参急中川~松阪間、参急中川~久居間(津線)開通時に参急中川駅として開業。
1930年(昭和5年)11月19日 参宮急行電鉄の佐田(現・榊原温泉口)~参急中川間開通。
1938年(昭和13年)12月6日 津線を1067mm軌間に改軌。津線が名古屋線に改称。
1941年(昭和16年)3月15日 大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併、関西急行鉄道に改称時に駅名も伊勢中川駅に改称。
1944年(昭和19年)6月1日 関西急行鉄道が南海鉄道(現在の南海電気鉄道の前身)と合併、近畿日本鉄道の駅となる。
1959年(昭和34年)11月19日 名古屋線を標準軌に改軌。
1961年(昭和36年)3月29日 中川短絡線が開通。名阪間に伊勢中川駅通過の特急運転開始。
1972年(昭和47年)9月18日 構内地下道・乗降場増設工事竣工。
2004年(平成16年)1月10日 地下駅舎化。
2007年(平成19年)4月1日 PiTaPa使用開始。
隣の駅
近畿日本鉄道
特急停車駅
大阪線
快速急行・区間快速急行・急行
榊原温泉口駅 - 伊勢中川駅 (- 松阪駅)
普通 (1往復のみ山田線直通)
川合高岡駅 - 伊勢中川駅 (- 伊勢中原駅)
名古屋線
急行 (大阪線からの直通が上り1本のみあり)
久居駅 - 伊勢中川駅 (- 松阪駅、榊原温泉口駅)
普通
桃園駅 - 伊勢中川駅
山田線
快速急行・区間快速急行・急行
(久居駅、榊原温泉口駅 -) 伊勢中川駅 - 松阪駅
普通 (大阪線直通は1往復のみ)
(桃園駅、川合高岡駅 -) 伊勢中川駅 - 伊勢中原駅
関連項目
日本の鉄道駅一覧
近鉄大阪線
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山田線:(近鉄名古屋・上本町方面<<) 伊勢中川 - 伊勢中原 - 松ヶ崎 - 松阪 - 東松阪 - 櫛田 - 漕代 - 斎宮 - 明星 - 明野 - 小俣 - 宮町 - 伊勢市 - 宇治山田
鳥羽線:宇治山田 - 五十鈴川 - 朝熊 - 池の浦 - 鳥羽
志摩線:鳥羽 - 中之郷 - 志摩赤崎 - 船津 - 加茂 - 松尾 - 白木 - 五知 - 沓掛 - 上之郷 - 志摩磯部 - 穴川 - 志摩横山 - 鵜方 - 志摩神明 - 賢島 |
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